AIの誤情報・悪評への対処

前提:回答は直接編集できない

生成AIが自社について誤った説明をした場合、その回答文を外部から直接書き換える手段は存在しない。検索結果の削除依頼のような窓口を想定すると、対処を誤る。

変えられるのはAIが参照する側の情報である。回答が生成される過程で読まれる一次情報を整備し、誤りの供給源を減らすことで、結果として回答が変わることを狙う。間接的な働きかけしかできない、というのが出発点になる。

したがって「訂正できるか」ではなく、「どこで誤りが生まれているかを特定し、そこを直せるか」が実務上の問いになる。

同じ「間違ったことを言われている」でも、原因によって打ち手がまったく違う。まず切り分ける。

1. 参照元に誤りがある

第三者の記事やまとめサイトに古い料金・旧社名・誤った事業内容が書かれており、AIがそれを正しく読んでいる。この場合、AIは正常に動作している。直すべきは参照元である。

2. 自社サイトの情報が古い/曖昧

自社ページに最新の事実が書かれていない、または複数ページで記述が食い違っている。AIはどれを採用してよいか判断できず、古い方を引くことがある。

3. 参照元が無く、推測で埋められている

そもそも該当情報がWeb上に存在せず、モデルが一般論から補完している。いわゆるハルシネーション。この場合の対処は「否定する」ではなく「事実を供給する」になる。

4. 学習済みの古い知識が出ている

Web検索を伴わない回答では、モデルの学習時点の知識がそのまま出る。参照元を直しても即座には反映されず、時間差が生じる。

1〜3は回答に出典URLが示されるかどうかで判別できる。出典があればその中身を読めばよく、出典が無ければ3か4を疑う。

  1. 再現性を確認する。AIの回答は毎回揺れる。1回出ただけの誤りと、10回中8回出る誤りでは深刻度が違う。まず反復試行で発生率を測る。
  2. 出典URLを回収する。誤った回答が示している出典を集める。ここで発生源が1〜3のどれかが確定する。
  3. 自社サイトの記述を正す。最新の事実を、meta情報ではなく本文テキストとして明記する。複数ページで矛盾していれば片方に寄せる。
  4. 第三者ページに訂正を依頼する。誤りの供給源が外部記事なら、運営者に事実の訂正を依頼する。到達できない場合は、正しい事実を書いた自社ページの側を厚くして相対的な参照確率を上げる。
  5. 各AIサービスのフィードバック窓口を使う。多くのサービスは回答への報告機能を持つ。即効性は期待できないが、記録は残る。
  6. 継続観測する。直したつもりでも反映には時間差がある。発生率が下がったかを追う。

権利侵害や名誉毀損に該当しうる内容については、上記の情報整備とは別に法務的な対応が必要になる。本ページは技術的な対処の範囲を扱っている。

チャット上でAIに訂正を伝える

その会話の中では訂正されるが、他のユーザーの回答には影響しない。会話は基本的にそのセッションで閉じている。

否定文をページに大量に書く

「〜ではありません」という記述は、誤情報の語をページ内に増やすことになり、かえって関連づけを強めることがある。否定ではなく正しい事実を書く。

1回の観測で判断する

同じ質問でも回答は毎回変わる。1回消えたことは解決の証拠にならないし、1回出たことも常態の証拠にならない。

該当する質問を繰り返し投げ、誤った記述が現れた割合を追う。単発確認ではなく比率で見る点は、引用の測り方と同じ考え方である。指標の定義はAEOとは、引用側の話はAI検索で引用されるにはを参照。

Sighted — 回答内容と出典URLの継続観測

Sighted は ChatGPT・Gemini・Perplexity の回答を日次で反復取得し、回答文と出典URLを記録します。誤った記述の発生率と、その出典がどこかを追跡できます。

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