AI可視性ベンチマークレポート 2026日本10業界のCitation率・Mention率・Response Share比較
自社のAI可視性は業界の中でどの位置にあるか。日本市場10業界のベンチマーク値を初公開。
なぜ業界ベンチマークが必要なのか
「自社のCitation率は5%だが、これは良いのか悪いのか」 -- この問いに答えるには、業界ごとの基準値が不可欠だ。
AI可視性の計測スタックで定義した5つの指標は、業界によって「標準的な水準」が大きく異なる。メディア業界のCitation率15%と、製造業のCitation率3%を同列に比較しても意味がない。
このレポートは、SightedのモニタリングデータとGPR実験の知見を基に、日本市場の10業界におけるAI可視性のベンチマーク値を初めて公開するものだ。
データの前提
本レポートの数値は、2026年上半期時点のSightedのモニタリングデータ、GPR実験データ、および業界ヒアリングに基づく推定レンジです。AI検索の進化に伴い、ベンチマーク値は変動します。年次で更新予定。
10業界のベンチマーク一覧
| 業界 | Mention率 | Citation率 | Response Share | 質問空間 |
|---|---|---|---|---|
| SaaS / IT | 8-15% | 3-8% | 5-12% | 中-大 |
| Eコマース | 5-10% | 2-5% | 3-8% | 大 |
| ローカルビジネス | 3-8% | 1-4% | 10-25% | 小 |
| メディア / パブリッシャー | 15-30% | 10-20% | 8-15% | 大 |
| 金融 / フィンテック | 10-20% | 5-12% | 5-10% | 中 |
| 不動産 | 5-12% | 2-6% | 8-15% | 中 |
| 教育 | 8-18% | 4-10% | 5-12% | 中-大 |
| 製造業 | 3-8% | 1-5% | 15-30% | 小 |
| 士業 / プロフェッショナルサービス | 5-15% | 3-8% | 8-20% | 小-中 |
| 人材 / HR | 5-12% | 2-6% | 5-10% | 中 |
数値は業界クエリ(ブランド名を含まない一般的な質問)に対する中央値レンジ。ブランドクエリは除外。
業界別の詳細分析
SaaS / IT
Mention率
8-15%
Citation率
3-8%
Response Share
5-12%
質問空間
中-大
英語圏のグローバル競合が強い。日本語特化コンテンツに機会
Eコマース
Mention率
5-10%
Citation率
2-5%
Response Share
3-8%
質問空間
大
商品比較クエリで大手ECモールが支配的。ニッチカテゴリに機会
ローカルビジネス
Mention率
3-8%
Citation率
1-4%
Response Share
10-25%
質問空間
小
地域特化でResponse Shareが高くなりやすい。Googleマップ連携が重要
メディア / パブリッシャー
Mention率
15-30%
Citation率
10-20%
Response Share
8-15%
質問空間
大
Citation率が最も高い業界。コンテンツ量と更新頻度が直結
金融 / フィンテック
Mention率
10-20%
Citation率
5-12%
Response Share
5-10%
質問空間
中
規制関連クエリでの権威性が重要。正確性がCitation率に直結
不動産
Mention率
5-12%
Citation率
2-6%
Response Share
8-15%
質問空間
中
地域×物件タイプの組み合わせでニッチ質問空間を形成
教育
Mention率
8-18%
Citation率
4-10%
Response Share
5-12%
質問空間
中-大
ハウツー系クエリでCitation機会が多い。E-E-A-Tの経験軸が重要
製造業
Mention率
3-8%
Citation率
1-5%
Response Share
15-30%
質問空間
小
専門性が高く質問空間が狭いため、Response Shareが高くなりやすい
士業 / プロフェッショナルサービス
Mention率
5-15%
Citation率
3-8%
Response Share
8-20%
質問空間
小-中
専門知識の深さがCitation率を決定。FAQ型コンテンツが有効
人材 / HR
Mention率
5-12%
Citation率
2-6%
Response Share
5-10%
質問空間
中
求職者向けと企業向けで質問空間が二分される
業界横断で見えた3つの傾向
1. 質問空間が狭い業界ほどResponse Shareが高い
製造業やローカルビジネスのように、専門性が高く質問の総数が限られる業界では、比較的少数のプレイヤーでResponse Shareを分け合う。結果として、個社のResponse Shareが高くなりやすい。逆にEコマースやメディアのように質問空間が広い業界では、Response Shareの獲得競争が激しい。
2. Citation率はコンテンツの「深さ」に比例する
メディア/パブリッシャーがCitation率で突出しているのは、記事の量と質の両方で他業界を圧倒しているためだ。金融・教育もCitation率が比較的高いが、これは規制や専門知識に関する深い解説コンテンツが評価されている結果。
重要なのは、コンテンツの「量」だけではなく「1ページの情報密度と自己完結性」がCitation率に影響するという点だ。詳細はコンテンツ品質ガイドを参照。
3. 日本語コンテンツの優位性
日本語クエリに対するAI回答では、日本語で書かれたコンテンツが優先的に引用される傾向がある。SaaS業界ではグローバル企業が英語コンテンツで優位に立つことが多いが、日本市場特有のクエリ(規制、商慣習、日本語特有の表現)では、日本語の質の高いコンテンツにCitation機会がある。
ベンチマークの活用方法
ステップ1: 自社のスコアを取得する
モニタリングツールを使って、業界クエリでのMention率・Citation率・Response Shareを計測する。
ステップ2: 業界ベンチマークと比較する
上記の表から自社の業界のレンジを確認し、自社の数値がレンジの上位・中位・下位のどこに位置するかを判断する。
ステップ3: 成熟度と紐付ける
ベンチマーク比較の結果をAI可視性成熟度モデルと組み合わせる。業界平均を超えていてもStage 3(引用段階)に留まっている場合は、次のStageに進むための施策が必要。
ステップ4: 改善目標を設定する
ベンチマークのレンジ上位を短期目標、レンジを超えることを中期目標に設定する。改善施策はAEO実行フレームワークに沿って計画する。